広告

2014年7月22日火曜日

看護系大学における看護基礎教育の課題(Part 3)

私は主に病棟における実習を担当しているので、その課題について。

まず、記録量が膨大過ぎる。ただの修行です。
徹夜して記録を終えた後に得られるのは、達成感だけです。
身体が十分に整っていない状況で実習させても、効率的に考えると良くないのは、教員間の中でも理解されてきているようですが、あの記録量の多さは自分でやってみてくれと言いたくなるくらいの量です。

これは別の機会に詳しく書いてみたいのですが、私は「看護過程」にすごく違和感があります。患者の全体像を捉えるための(学習)ツールのように使われているかと思いますが、ヘンダーソンとかゴードンなどのアセスメントフレームは、ただただ非効率的でわかりにくいです。あんなの情報開示とかで出されても何が何だかわからないでしょ。

看護過程の書き方に時間をとられて、本来大切にすべき基礎看護技術や解剖生理学的知識を確認するのがおろそかになっていると思います。これは、座学における非効率的な学習にも原因がありますが、授業や定期試験ではわからないことを調べるというより、授業で出たところを暗記することが目的になっているので、実習でわからないことを調べようとすると何を見ていいのかわからない、という状況になるようで、自分で調べられない学生もいます。その状況で、さらに睡眠不足状態であるため、記憶も定着しにくいと考えられます。ただ根性をためされているだけです。根性を試しているのなら実習目標に記載すべきですよ。

実習で学ぶべき最低限のことは、ほうれんそうができるようになることだと思います。私が思うほうれんそうは以下の3点です。

  • 自分は何が苦手で何が得意か、どこまで理解できていて何がわかっていないのかが説明できる。
  • 患者さんの状態が報告できる(できれば自分のアセスメントを加えて)。
  • 自分は何に困っていて、今後どうしたらよいと考えているかを相談できる。

よくあるのは、知ったかぶりをする学生。そうなると表面的な指導しか受けられませんので、根拠の薄い知識が身に付き、それが行動に移されたりする場合が最も危険です。インシデントどころかアクシデントにつながります。具体例はまた違う機会に書きます。

実習はOJTではありませんが、社会人基礎力が詰まった素晴らしい学習の機会なので、もっと効果的な運営方法が開発されるべきと思っています。
どうしたらいいのでしょうね。

0 件のコメント: